なんだろう、人って、不安になると無駄にたくさんの言葉を重ねる傾向にある。
と、思いません?
最近、新人ディレクターさんとお仕事をすることがあって。
彼の原稿をチェックしていたら、とにかく言葉が多い。
どのカットにもビッチリ言葉を埋めようとする。(時としてこぼれている。)
この気持ち、わからなくはない。というか、よくわかる。わかりすぎるぐらいわかる。
私もそうだったから。
でもこの仕事をして、文章を書くってことを生業にして。少し経ったころ。
『言葉を重ねすぎない勇気』みたいなのに気づいて。勇気りんりんになって。
それは、その映像そのものの美しさや強さで言葉なんていらないフレームを作るってことなんだけど。
その勇気を得られるまでは、10秒のカットにはびっちり10秒分の言葉を重ねてたなぁ。
でも、それを8秒分ぐらいの言葉にしてみたり
時として、全く言葉を使わない勇気とかだしてみたら次のステージが見えた気がした。
ってことを、新人くんと一緒に仕事をして思い出しました。
彼もいつか、気づくんだろうな。
自分の画が言葉を凌駕することを。そうしたら、大人の階段のぼっちゃうね。
これに気付けるかどうかは、他人がどうこう言ってもわかることじゃなくて
やっぱりカラダで覚えることだからなぁ。
っていうか、この『言葉を重ねる問題』って人間関係も一緒だと思っていて。
何も話さなくてもその場の空気を共有できる人って、
他の人より一段階上の親密さになれていると思う。
と、思いません?
non